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百年の孤独
 
いつかは読もうと思いながら、なかなか手をだせずにいたガルシア・マルケスの『百年の孤独』。三田誠広氏の著書『実存と構造』で、構造主義の小説として興味深く紹介・解説されていたのでそれを機に読んでみた。

世界各地で残っている神話はなぜどれも同じようなストーリーばかりなのか?ある特定の神話がもとになって世界各地に伝わったわけではなく、数多く生まれた物語のなかで人間の普遍的な欲求にあうものだけが自然淘汰により生き残った、というわけです。その物語のなかの営みも登場人物である個人が各々行なっているようで、結局は世の中の構造(無意識のうちに人が求めている)に従って、延々と同じような物語が繰りかえされている。それが神話の構造。

『百年の孤独』は、まさにそんな神話的構造を利用して創られた作品。架空の村マコンドの一族の100年・6代にわたる衰勢が描かれています。読む際にこんなウンチクはどうでもいいことなんですが、大事なのは“できる作り手”はこれをうまく利用しているということ。大江健三郎をはじめとした多くの作家が影響を受けたそうです。

百年の孤独_d0251177_1945347.jpg

映画「スターウォーズ」も神話的構造を利用して創られているひとつ。ジョージ・ルーカスが神話学者ジョゼフ・キャンベルに大きな影響を受けたらしい。主人公ルークが困難を乗り越えた後、父親であるダースベイダーと対決しますが、父子の対決は神話でよくあるパターンです。

子が親を倒す物語が世の中で多く残っているのは、民衆の“世の中が変わって欲しい”という革命願望のせいとのこと。

そういった世の中の隠れた構造に合致したものが、長く残っていくのですね。

意図して取り入れてるかどうかはわかりませんが、韓国の歴史ドラマや、「渡る世間は鬼ばかり」なんかも、そんな構造に合致しているように思えます(笑)。
 
by hi-g_blog | 2011-10-28 20:19 | 読書
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