アゴタ・クリストフ

ハンガリーの作家、アゴタ・クリストフさんが亡くなられました。気にはなりつつ、読んだことがなかったのでこれを機に代表作『悪童日記』を読んだのですが、やはり噂どおり衝撃的でした。

※以下、書評。先入観なしに『悪童日記』を読みたい方は読まないでください。

平易な言葉しか使われていない(母国語ではないフランス語で書かれている)。心情など不確定な表現をまったく入れず、真実のみを記述するルールのもと書かれた作文。それがこの『悪童日記』の特徴です。

とにかく読みやすいので、ぼくもそうなんですが、翻訳ものが苦手で海外文学をあまり読まない人でも大丈夫。その反面、内容はかなりえげつないので注意が必要(嫌悪感をおぼえる人もいる…)ですが、そのショッキングさが著者の伝えたかったことでないのはあきらか。

d0251177_182519.jpg

この作品の戦争や性的な描写に目を向けると肝心なところが見えなくなる。注目したいのは、平易な言葉で真実だけを記述するというエクリチュール(書き方・ルール…)。著者が選択したエクリチュールがすべてを決定づけたといえば言い過ぎでしょうか。たんなる文章のテクニックではなく、エクリチュールによる構造をうまく利用した、わかりやすい例だと勉強になりました。

このエクリチュールは、ぼくたちデザインの仕事に置き換えることも簡単なので、強く意識していきたい概念です。
[PR]
by hi-g_blog | 2011-08-04 18:37 | 読書
<< オン・ザ・ロード 気になる人 >>


Top

デザイン事務所ハイジーのブログです
by hi-g_blog
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31