アゴタ・クリストフ

ハンガリーの作家、アゴタ・クリストフさんが亡くなられました。気にはなりつつ、読んだことがなかったのでこれを機に代表作『悪童日記』を読んだのですが、やはり噂どおり衝撃的でした。

※以下、書評。先入観なしに『悪童日記』を読みたい方は読まないでください。

平易な言葉しか使われていない(母国語ではないフランス語で書かれている)。心情など不確定な表現をまったく入れず、真実のみを記述するルールのもと書かれた作文。それがこの『悪童日記』の特徴です。

とにかく読みやすいので、ぼくもそうなんですが、翻訳ものが苦手で海外文学をあまり読まない人でも大丈夫。その反面、内容はかなりえげつないので注意が必要(嫌悪感をおぼえる人もいる…)ですが、そのショッキングさが著者の伝えたかったことでないのはあきらか。

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この作品の戦争や性的な描写に目を向けると肝心なところが見えなくなる。注目したいのは、平易な言葉で真実だけを記述するというエクリチュール(書き方・ルール…)。著者が選択したエクリチュールがすべてを決定づけたといえば言い過ぎでしょうか。たんなる文章のテクニックではなく、エクリチュールによる構造をうまく利用した、わかりやすい例だと勉強になりました。

このエクリチュールは、ぼくたちデザインの仕事に置き換えることも簡単なので、強く意識していきたい概念です。
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# by hi-g_blog | 2011-08-04 18:37 | 読書
気になる人

いつもの出勤ルートに、とても気になる人がいます。ホームレスのおじいさんなのですが、何が気になるかというと、よく読書をされているんです。

それが娯楽的な小説なら特に気にならないのでしょうが、最初に気づいた時に読んでいたのは「岩波文庫」。ということは古典か学術書です。その他にも、タイトルまではわかりませんが、あきらかに難しそうな本(布ハードカバー装丁で上下二段組など…)を日光浴しながらひょうひょうと読んでおられます。

ぼく自身は、読書する一番の目的は仕事のため(もちろん楽しんでますが)。仕事をしてなかったら古典なんか読みませんよ、たぶん。楽しめればいいので娯楽的な読み物ばかり読むと思う。ホームレスという状況で古典・学術書ばかりを読むというのは、純粋に好きなんでしょうね。

このおじいさんは、“賢人”のにおいがする(笑)。風貌もどこか道家っぽいというか、仙人っぽいというか…。門番だった賢人・侯嬴(こうえい)もこんな人物だったんじゃないかな? と拝見するたびに勝手な妄想をしてしまうんです。現代にだってこんな隠者がいても面白いんじゃないかと。

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# by hi-g_blog | 2011-08-03 17:34 | 読書
7月に読んだ本

みなさんは自分の本棚をもっていますか? ぼくは読み終わった本は家の収納棚やダンボールの中、もしくは仕事場なんかに適当に散らかしちゃってるんで、“書斎にあるマイ本棚”というのにつよく憧れます。自分好みの本を少しでもいのでセンスよく置いてる人の本棚があったらぜひのぞいてみたい。

なので“マイ本棚”を実現するまでの代わりとして『読書メーター』というサイトで2011年分の読書を管理しています。以下は読書メーターの機能のひとつで、ぼくが先月に読んだ本のまとめ。自分の最近の傾向がわかっておもしろいんです。“先月は小説をひとつも読み終えてないなぁ〜”とか…。もちろん他の登録者の本棚ものぞけます。

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# by hi-g_blog | 2011-08-01 17:21 | 読書
復興支援写真
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事務所の壁に新しい写真がひとつ増えました。北海道在住の写真家・飯塚達央さんが東日本大震災の復興支援を目的としてチャリティ販売された写真です。もともとは飯塚さんがブログに掲載された写真でしたが、それを見た方が「今回のことを忘れないために購入したい」とメールを送ったことから実現したとのこと。ハイジーでは、毎日出勤後にジャケットをかけるハンガーの横に掛けました。

d0251177_11461029.jpgタイトルは『日はまた昇る』。
飯塚さんがボランティアで訪れた時の気仙沼。瓦礫の街に昇る朝日。
 
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# by hi-g_blog | 2011-07-28 11:59 | 写真


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