カテゴリ:映画( 14 )
オン・ザ・ロード
 
これは絶対見逃すわけにはいかん、と観てきましたジャック・ケルアック原作の映画化『オン・ザ・ロード』。



あまりよくないレビューも目にしていたので、あまり期待してなかったのですが、ケルアック好きなら必見です。クスリやったり、馬鹿騒ぎしてアメリカ中を旅するだけの内容なんですが、原作の持つ疾走感や、大人になる際のほろ苦さなんかが上手い具合に表現されている。自分の過去の旅の情景なんかも呼び覚まされる、なんともいえない味わいのある映画でした。大満足。

ただし、ケルアック好きでなければ単なる長いだけのロードムービーなだけかもしれませんが…。
 
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by hi-g_blog | 2013-09-12 17:54 | 映画
ドキュメンタリー2本
 
ここ最近に鑑賞した映画で、仕事にいい影響を与えてくれそうなクリエイティブ系ドキュメンタリー作品を2本ご紹介。

まずは、先週末公開したばかりの『ふたりのイームズ 建築館チャールズと画家レイ』。ドキュメンタリーとはいえ、チャールズもレイも当然亡くなっているので、登場するシーンはほとんどスチールだし、イームズ夫妻に関わった人たちのインタビューが中心なわけです。「なんだか、つまらん映画だなぁ」と思いながらとうとしていたんですが、イームズがビジュアル・コミュニケーターとして国や企業を宣伝する映像を制作するあたりから一変。宣伝物であろうが、チャールズが常にクリエイティブの中心に置いていたものや陥ってしまったこと、その手法などに触れられ、本当に見て良かった映画でした。いいヒントをいっぱいいただいた気分です。




もう1本は『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』。これはもう、仕事に対する姿勢が素晴らしいんですね。「ふたりのイームズ」と違って、こちらは本人に密着撮影してるので、人格がダイレクトに伝わってくる。ロック・フォトグラファーという肩書きとはぜんぜん違ってまったくチャラくなく、また、その仕事ぶりを評するU2・ボノやルー・リードなんかの言葉がほんとにいいんです。



“概念”を表現しようとしたチャールズ・イームズと、この成功してもなお、上を目指し続けるアントン・コービン。2人ともかなりのロマンティストで、男が観ると共感できる部分が多い。そんなところに感動を覚える2本でした。

※『アントン・コービン』は大阪での上映は終わってしまったようですが、京都(みなみ会館)と神戸(元町映画館)なら、これから上映してくれるようです。
 
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by hi-g_blog | 2013-06-10 18:36 | 映画
『ニーチェの馬』


映画『ニーチェの馬』を観てきた。

原題は「トリノの馬」。ニーチェがトリノに滞在中、鞭打たれる馬車馬に駆け寄り泣き崩れ、その後発狂したというエピソードから着想された映画とのこと。この邦題の付け方はいいですね。タイトルにニーチェとつけるだけで観客は5割増しにはなってるハズ。ニーチェ好きは世の中に多いですから。

この映画のことを知るまですっかり失念していたのですが、クンデラの小説「存在の耐えられない軽さ」の中で、この馬のエピソードを引用したくだりが出てくるのです。

 “ニーチェはデカルトに代わってやってきて、馬に許しを乞うたのだ”

デカルトが動物に心がるのを否定して機械扱いしたこと(動物機械論)をうけての一文(こういう素晴らしい文章を連発するのがこの小説の凄いところなのですが)。「(支配者である人間が)機械扱いしてゴメンね」とニーチェが謝ったわけです。

こういう観点から見ると、この映画の馬のキャスティング、駄馬っぷりが凄い。とにかくしょぼくれててスタイルも毛並みもよくなくて、長年にわたり機械扱いされてきた感がにじみ出てる。キャスティングの際、役立たずで売り飛ばされる直前の馬を探しあてたらしい。

映画の内容はというと、この馬の飼い主である父と娘が人里離れた一軒家で、朝起きて、井戸で水をくんで、着替えをして、ジャガイモを茹でただけの食事をする。会話はほとんどなしでこれを繰り返す。この親子のほうこそ機械のような生活。だれもが“こんな毎日の繰り返しはいやだ”と思うだろう。狙ってるのかどう解らないが、ニーチェの思想「永遠回帰」を彷彿とさせる。もちろん本筋にニーチェは出てこないし、その思想も直接関係ないのでニーチェ好きでなくても観られます。いろんな観点から楽しめるのでモノクロ写真好きや絵画好きにはいいんじゃないでしょうか?ただし、同じことを長回しばかりで、間違いなく陰鬱な気分になる修行のような2時間半です。


 
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by hi-g_blog | 2012-05-05 17:28 | 映画
『別離』、おすすめです。
 
『別離』を観てきた。公開初日だったこともあり満員。
(そろそろ全席指定にしてほしい…梅田ガーデンシネマ)

賞をとりまくって、今話題のイラン映画。映画好きには超おすすめの完成度でした。特に登場人物の微妙な心理状態を見事に描いた脚本・プロットが素晴らしすぎる。保身のため、家族を守るためのちょっとしたいろんな人の嘘が宗教的な観点などを含めて絡み合っていくわけですが、キャラクター設定まで含めてリアルに落とし込めています。そこにはハリウッド映画お得意のご都合主義的展開は一切ありません。

芸術性という名の“雰囲気”に逃げ込むこともない。だから誰でも観ることができる映画だが、受け取り方は人それぞれになるような作りが絶妙。「〜どのようにたどり着くかは観客の想像力に委ねたい」とは監督がインタビューに答えたセリフですが、それを象徴するエンディングにもやられました。



しかし、この監督、年下には見えません…。
 
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by hi-g_blog | 2012-04-16 20:14 | 映画
『ドライヴ』冒頭10分
 
カンヌで監督賞をとった話題の映画『ドライヴ』を観てきた。

いわゆるクライムムービー。昼間は車の修理工やカースタントをしている主人公は、夜は強盗の逃がし屋をしている。展開自体はありがちともいえる映画なのですが、この強盗して逃げるシーンのできが素晴らしい。一気に心拍数が跳ね上がる。

その理由は、主人公が依頼主に伝える「5分だけは車で待つ。5分をすぎたら面倒はみない」というセリフ。強盗に押し入ってから逃亡用の車に来るまでの時間を5分でしばるんですね。ホントは強盗にかかる時間や警察が駆けつける時間なんてケースによって違うでしょうに、かならず「5分」なわけです。「できるだけ早く」ではなく「5分」。わかっちゃいるけど観客はドキドキさせられる仕掛け。

いきなり印象的な数字を大きくだして“つかみ”にする、昔ながらの広告手法と似たようなものですね。

その逃がすシーン、冒頭10分が封切り前にネットで公開されてたようです。いきなりカーチェイスをしないところが心憎い。




 
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by hi-g_blog | 2012-04-03 18:40 | 映画
おとなのけんか
 
映画『おとなのけんか』を観てきた。
こどものけんかが発端で、その二組の親が話し合いをする、ただそれだけのストーリー。シーンのほとんどは、その話し合いがおこなわれる家の中という室内劇で、セリフのある登場人物はその二組の夫婦だけというシンプルさ。(舞台の映画化らしい─)

なにが描かれているかというと、とにかく“価値観の違い”。

もし、庶民的でいい人そうなおじさんと会話していて、「子供が飼ってたハムスターが夜中にうるさいので昨日捨ててきたんですわ、わっはっは」って悪びることなく話されたら、その人とは“一生ともだちにはなれないだろうな”と思うわけです。

日常では、そういう人と知り合ったとしても、そこはスルーして穏やかにその場をやりすごす(ありますよね、そういうこと)。それが“おとな”なのですが、それがだんだんやりすごせなくなり、恐ろしい“おとなのけんか”に発展する。あ〜「価値観」って恐ろしい。


 
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by hi-g_blog | 2012-03-26 18:36 | 映画
メランコリア
 
映画『メランコリア』を観てきた。これは凄すぎる、好き嫌いが大きく分かれるだろうが個人的には大傑作。映画館で観ておいて本当によかったと思える映画だった。

惑星メランコリアが地球に衝突する、と聞けばよくある「地球終焉映画」のようだが、これは監督が表現したかったことのために選択した手法のひとつにすぎないだろう。実際に鬱病だったラース・フォン・トリアー監督の自己の経験と、人間がおちいる精神状態がこれでもかというくらい投影されている。

なぜ「地球終焉」なのか? 惑星メランコリアが地球に衝突するというのは憂鬱(メランコリー)から破滅へと突き進み『無』へと至る隠喩だろう。この映画はトリアー監督流の『無』の表現だと思う。

その『無』は、「存在しているから知覚できるのではなく、知覚できるから存在している」「知覚できる生物が絶えてしまうとこの世界は存在しないも同然となる」といった独我論的な世界感。そしてなにより、圧倒されるラストは観客に『無』を体感させるという矛盾にも成功している。こんな貴重な体験ができる映画はそうそうないでしょう。



音楽(ワーグナーらしいです)とグラフィックの使い方もうまかった…。
 
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by hi-g_blog | 2012-03-05 19:38 | 映画
ミルズのグラフィック
 
映画『人生はビギナーズ』を観てきました。
老後になってゲイだと告白するお父さん役、クリストファー・プラマーがアカデミー賞の助演男優賞を受賞しましたね。しかし個人的には、デザイナーでもある監督マイク・ミルズが手がけた、劇中に登場するグラフィックが印象に残った。

主人公の男性(ユアン・マクレガー)もグラフィックデザイナーなのだが、そのスタイルはひたすらペン画。こういうヘタレでポップなアートには、あまりあこがれることがなかったのだが、映像で描くシーンを見せられるとけっこう魅力的なのが不思議です。その主人公が、クライアントの求めるものに反発し、まったく違う作品づくりに没頭し上司に怒られるシーンが微笑ましい。

こういう自分の内なるものをデザインに反映させてしまう危うさは、ミルズ自身がもっていたものなんだろうなと推測しまう。ほかにも監督の自己投影らしきシーンがたっぷりあったのが印象に残る映画だった。
 

 
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by hi-g_blog | 2012-02-27 19:40 | 映画
ドラゴン・タトゥーの女

「月イチゴロー」で一位だったこともあり(笑)、さっそく観てきました『ドラゴン・タトゥーの女』

毎度お約束のような聖書の引用(セブンっぽい)などあり、この手のものとしては王道的な手法にプラスされた「北欧っぽいかっこよさ」が印象的。上映時間が2時間40分くらいあることもあり、おなかいっぱい満足できた。

監督デヴィッド・フィンチャーは、ほんとうに観客を満足させられるプロだなと実感。「ベンジャミンバトン」の時も、発想はいいが小説としてはたいして面白くもないフィッツジェラルドの短編をよくあそこまで膨らませたものでした。いい意味で感性が“ベタ”な人なのではと思う。

以下、本筋とあまり関係ないが、

◎北欧ならではの建築・インテリアがかっこいい。
◎北欧の仕事場がかっこいい。
◎主演のダニエル・クレイグがかっこいい。
◎ドラゴン・タトゥーの女が黒いバイクに乗るシーンがかっこいい。
 (無性にバイクにのりたくなった)
◎パソコンはひたすらアップル。
◎冒頭の「移民の歌」がかっこいい。
 (当初、いまどきツェッペリンはないだろう、と反対されたらしい)

と、いちいちかっこいい映画でした。

追記:えげつないシーンが多いので、そういうのが苦手な人は避けたほうが賢明。
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by hi-g_blog | 2012-02-13 18:43 | 映画
OZZY OSBOURNE

先日、シネマート心斎橋でオジー・オズボーンのドキュメンタリー映画を観た。

期待していたライブシーンは少なめだったが、これがまた、ファンにはたまらない泣ける映画でして。まず映画冒頭の「I DON' KNOW」のイントロでグッとくる。そして、ドラッグ中毒があまりにひどくブラック・サバスをクビになり、どん底だったオジーの救世主となった天才ランディ・ローズを飛行機事故で失ってしまうくだりでは映画館中泣いていた(ような気がする…)。

オジーもやはり、というか天才タイプによくある失読症だったらしく、成功者でありながらまったく自尊心がなかった。その裏返しがあの一連のはちゃめちゃな奇行につながっていたようですね。

この映画の白眉は、ドラッグと酒浸りで家族に迷惑をかけつづけてきたオジーが歳をとってやっと禁酒に成功した「きっかけ」と「できるようになったこと」。地味ですがジンときました…(詳しくは映画で!)。観客みんなが心の中で「よかったね、オジー」としみじみ(してたような気がした…)。

しかし、邦題『オジー降臨』はいただけない。原題は『GOD BLESS OZZY OSBOURNE』という、みんなの心情をよくあらわしながら、悪魔キャラOZZYに対しての洒落がきいてるいいタイトルなのに…。チケットカウンターで「オジー降臨、一枚ください」というのはちょっと恥ずかしかったですよ(笑)。
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by hi-g_blog | 2012-02-07 18:49 | 映画


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